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美術と技術

美術と技術

今回のテーマは「美術と技術」とさせていただきました。

ついつい同じようなカテゴリーで並べてしまいがちなこの二つ。

そこには実に大きな違いがありました。

今日はその違いに関して調べてみましたのでぜひお付き合いください。

それぞれの目的

中学校時代、選択科目として「技術」と「美術」というのがありました。

なんとなく絵を書くのが好きな子は美術、モノを作るのが好きな子は技術といったようにフワッとした理由で選んでいました。

このようなことからこの二つを同じようなものと認識するところがあり、ついつい並べて考えてしまう自分がいました。

しかしながらこの二つ、実は大きな違いがあります。

それはそれぞれの「目的」です。

美術と技術、それぞれ目的は何だと思いますか?

歴史等を調べた結果、私が行き着いた答えは

美術 : 人を楽しませる=娯楽

技術 : 人を豊かにする=必需

というように分けれるかと思います。

こうした結論はそれぞれが急速に発展した背景から求めることができます。

 

美術の発展

美術に対し発展と定義することは少しお門違いのような気もしますがそこはご勘弁ください。

ここでは名作と名高いものが多く生まれた時期を美術の発展と定義させていただきます。

みなさんはそのような時代はいつだと想像されますか?

代表的な例として古代ギリシアの芸術が挙げられるのではないでしょうか。

有名なダビデ像をはじめ、彫刻や建物に多くの名作が残っており、その後ギリシャを征服したローマ帝国でさえその芸術のレベルの高さに驚嘆し後世に残したほどです。

その他にも葛飾北斎を擁した江戸時代、中世ヨーロッパなどが挙げられるかと思います。

さあここで多くの名作が生まれている条件についてみていきましょう。

それは「平和である」すなわち「余裕がある」ということです。

美術は娯楽の要素が強い、つまりは究極なくても死ぬわけではないため豊かな時代にしか評価されません。

厳しい時代ではみな食べることに必死ですからね、戦後の闇市が良い例です。

このような時代では芸術で飯が食べれませんのでこれを志す者は少なくなり、結果として名品が生まれずらいわけです。

反対に豊かな時代は皆から評価されると同時に、お金持ちがこぞって大金をはたいてその芸術を買う、もしくは召し抱えるなどしたため作品の創造に集中して取り組めたというわけなんですね。

 

技術の発展

それでは今度は技術についてみていきましょう。

技術が大きく発展する、そこには人々の悲痛な叫びがつきものです。

例えば有名な産業革命、これは貴族が従来の領地作農をやめ貿易業に精を出すようになった結果、それまで領主に雇われ作農をすることで生き延びてきた領民が仕事をなくしたことから生まれました。

突然仕事と住む場所を無くした領民は明日生きる術もなく文字通り必死でした。

そこで自らの生き残る術を模索した結果、上記による大量製造という技術を生み出し、それを利用した工場で労働をし、食つなぐことができたのでした。

これと同じように生き延びるために必死となる、その代表的な例があります。

そう、戦争です。

戦争は殺し合いです、相手を多く殺し領地を獲得することを目指しています。

反対に劣勢となると国民を多く殺され領地を奪われるのですから全員が必死です。

政府も勝つために努力は惜しみませんし国民も同じです。

そのようなことから第一次、第二次世界大戦のさなかには軍事目的を起点とした技術が大幅に発展しました。

当初は人を殺すために開発された、もしくはその逆もあるでしょうがそれらの技術は形を変え、現在の便利な世の中を作っているのです。

こうして生きるために何かが強く求められた時代、そういった時代に技術というものは飛躍的な進化を遂げてきたのです。

 

技術と美術

いかがでしょうか。

美術と技術、同じように思えたこの二つは大きな違いがあることが分かりました。

ロシアによるウクライナ侵攻など物騒なニュースもありますが、戦後以来約70年にもわたり平和を享受している日本。

その間に多くの現代美術作品が生まれています。

しかしながら技術開発も今はインターネットを通じ行われることが多いため、昔のようにコストがかからず実施できます。

よってこれからは美術と技術、双方が豊かな時代においても大きく飛躍するようになってくるのではないでしょうか。

この豊かな時代に生まれた私たちはこれらを引き継ぎ、美術と技術それぞれの発展に注力して争いのない世の中を目指したいものですね。